名探偵ダメ美

お姉ちゃんが魔法少女は絶対嫌だと言うので
名探偵にしました。
お姉ちゃんの名推理が炸裂します。



しないから。



私の名前はダメダメ子。
ダメ美探偵事務所の助手兼秘書だ。
探偵事務所といっても、浮気調査や身辺調査をするような
その辺の探偵事務所とは格が違う。
所長のダメ美は世間に名をとどろかせる名探偵なのだ。

「名探偵って職業が成り立つなんて、よっぽど治安が悪いのね。」
新聞から目を上げつつ、ダメ美が言った。
「余計なことは言わなくていいよ!」
私が注意すると、ダメ美は次のように言い直す。
「……新聞によると、最近は治安が悪いらしいわ。」
ときおり、被告による意味の分からない供述ぐらいに
意味不明な発言をするのが、ダメ美探偵の唯一の欠点である。

……そんなことを言っている間に
また新しい依頼人がやって来たようだ。
「あの私……、極悪子コーポレーションで秘書をしております
ウツウツ子と申します。」
依頼人の挨拶に対して、ダメ美が答える。
「ウツウツ子さん……今回は犯人役ですか?
……じゃなかった、あの悪名高い極悪子氏の下の秘書とは
さぞかし苦労も絶えないでしょう?」
「えっ……、決してそんなことは……。
でも今回、私どものところにこんな脅迫文が届いて……。」
ウツ子さんが封筒に入った手紙を見せる。
ろくに見もせずにダメ美が言った。
「早速捜査に参りましょう!」

二時間後、社長室で私たちは極悪子氏と面会していた。
「ウツ!アンタなに勝手にこんな探偵風情に
相談に行っているの!」
悪子氏がウツ子さんに対してヒステリーを起こしている。
「死亡フラグがバリ3で立ってるわね」
ダメ美がそう呟く。

そして、その日の夕方のこと、
私たちは極悪子氏の遺体の前に立っていた。
横には蹴破った社長室のドアが転がっている。
「これは密室殺人だわ!」
ダメ美がうんざりしたような表情でそう叫んだ。
続けて呟いた台詞
「どうして山奥に捨てないのかしら?」
は聞こえなかったことにしておく。

しばらくして刑事が到着した。
「警視庁の方から来たムイミです。」
……どう見ても女子中学生にしか見えない。
それに刑事は必ず二人組で行動するはずではなかっただろうか?
そのような疑問をぶつけると
ムイミ刑事(自称)は答えた。
「警視庁の方角から来ただけですから。」
……それは詐欺の常套手段では?
「それで捜査のほうは大丈夫なのでしょうか?」
ウツ子さんが尋ねた。
「ミステリーの警察という立場上、
我々の捜査は一切無意味です。
私は無意味なことはしない主義でして。」
こうして警察の捜査放棄により
事件は迷宮入りするかと思われた。

しかし、ここで名探偵の名推理が披露される。
「関係者全員を集めてください。」
ダメ美探偵が宣言する。
名前どころか姿さえも描写されていない
関係者達が集まってきた。
犯人を指差しながらダメ美探偵が言った。
「犯人はあなたですね!ウツウツ子さん!」
……かなり照れくさそうな様子である。

続けて密室の謎を暴いていったのだが、
トリックを明らかにすることは
ムイミ刑事に止められている。曰く
「トリックの出尽くしているミステリーで
わざわざ十番煎じの密室トリックを考えるのは
無意味でしょう。」
とのこと。
「魔法で密室を作ったってことにしたらいいんじゃない?」
ダメ美がそう呟くが、もちろんよくない。
魔法を使えるなら
わざわざそんな回りくどいことはしないだろうし、
第一その話はもう終わっているのだ。

すべてを明らかにされ、ウツ子さんは泣き崩れる。
「いつも私をバカにするアイツだけは許せなかったの!」
「一つだけ教えてくださいウツ子さん、
どうしてわざわざ密室殺人にしたのですか?」
ダメ美が尋ねた。
「話題づくりよ!目立ちたかったのよ!
私、今度本を出すつもりだし……」

帰り際、私はダメ美に言った。
「目立つために密室殺人をこしらえるなんて……
そんなことあり得るんでしょうか?」
「わざわざ全員の前で推理を披露する
自己顕示欲の塊のような探偵がいるぐらいだから
全然不思議ではないわ。」
ダメ美はそう答えた。

よっぽどこの役が嫌だったらしい……。
スポンサーサイト
にほんブログ村 漫画ブログ オリジナル漫画へ にほんブログ村 漫画ブログ ウェブ漫画へ

コメントの投稿

非公開コメント

No title

 探偵もの、やろうと思ってたのに先を越された…。

 とても面白かったです。

プサイにファイ~♪

ダメ美たん・・・ハァハァ
カワイイよ・・・ハァハァ

ダメ美たんに、いろんなところを捜査されたいです。
いっぱい探って、はやく捕まえてぇ~。

今度は、ダメ美たんに花嫁役をやってもらってください。
もちろん、花婿は私ですが。

残念

お姉ちゃんとダメ子たんでドア蹴破ったなんて…。
はしたない。
だめお幻滅…。

No title

男性キャラは出ないんですね。
ムイミ刑事の助手とかでも…。


ジェームズ・ボンドは二度ピー

どうして・・・ばれたのかな?

お湯に溶かした木工用ボンドを何度も浴びました
伸縮性のある透明な膜、見えない皮膚です
指紋も残しませんでした
ルミノール反応も血を浴びても構いません
水溶性のボンドと一緒に流しました
死体は死亡推定時刻を一ヶ月も狂わせるようにガチで出来るので削除しました
凶器のピーは非常に軽いので風船につけて空に飛ばしました
私が現場処理をしている時間、既に凶器は風に乗って移動していたのに!

このジェームズ木工用ボンドの完全犯罪を見破るなんて!

Re:

> 麻偽さん
定番ネタですから
どうぞ気にせずやって下さい

>やのじさん
ダメ美「いろんなところって…?
パソコンの中とかベッドの下とかですか?
あまり捜査したくないです…」

>だめおさん
蹴破ると体当たりで破るって違う意味だったんですね
勉強になりました。

あっでも蹴破ったのは私たちじゃなくて
登場人物の一人ですよ
ミステリーにありがちな展開です

>半分さん
病んでる男の人出ても誰もうれしくないかなと…
でもデスノートみたいな人物ならいいのかな?

>斑のゆーかさん
ダメ美「確かにあなたの犯行は完璧なはずだった。
しかし、あなたは一つだけミスを犯した。
耳にボンドを塗り忘れたことだ。
その証拠に耳だけ返り血で血まみれだ。
そんな初歩的なミスをしてちゃ、こんな大掛かりなトリックも
意味なし芳一ですよ」

No title

まさに迷探偵!

No title

↑すいません、私です。

Re:

> みきてぃさん
ダメ美「コメントはあなたですね!
みきてぃさん!
色々迷ってます…」
ブログランキング
ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ  Web Comic Ranking うちの子ご自由にお描き下さい同盟
人気投票
前回の結果 カオス状態になったため登場人物以外の選択肢は消去することにしました、ご了承くださいです
メッセージ
登場人物
登場人物の詳しいプロフィールはこちら
chara_dameko.jpg ・ダメ子
chara_damemi.jpg ・ダメ美
chara_damena.jpg ・ダメ奈
chara_muimi.jpg ・ムイミ
chara_yamiho.jpg ・ヤミホ
chara_utuko.jpg ・ウツ子
chara_kyorono.jpg ・キョロ乃

chara_toruka.jpg ・とるか
chara_setuna.jpg ・セツナ
chara_chiyo.jpg ・ちよ
chara_mase.jpg ・ませ
chara_mie.jpg ・ミエ
chara_kiara.jpg ・キアラ
chara_heaven.jpg ・ヘブン
chara_mote.jpg ・モテ
chara_tyara.jpg ・チャラ
chara_muturi.jpg ・ムツリ
chara_ikuno.jpg ・幾乃
chara_sumi.jpg ・スミ
ツイッター
ピクシブ
ブロとも申請フォーム
よかったら仲良くしてください

この人とブロともになる

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
創作ブログリンク
レビュー・情報ブログ
メンタルヘルス日記リンク
その他日記ブログ
リンク切れ
検索フォーム
RSSリンクの表示
QRコード
QR
カウンター